【 Dutch Birding volume 38 No.1 2016 】
= Identification of the Larus canus complex =
64ページしかない冊子ですが、内容は非常に充実していると思います。
もう、この冊子無くしては、Larus canus の事は語れない!ほどの。
こんなに素晴らしいものは、どこかが翻訳して出してくれないものかと思いつつも、すでにほぼ全て訳してしまったので、もうそれもどうでもいいことになってしまいました。
ちなみに、自分はイギリスの本屋さん、« NHBS | science & environment »からネットで購入しました。
注文した日から発送までに二週間かかり、その後、一週間で手元に届きました。発送に時間がかかっていますが、いつもそれぐらいかかるのか、在庫が無かったのか?よくわかりません。それでも、注文した時に書いてあった発送予定日よりも、結局、5日ほど早く発送されました。
本£19.99 + 送料£7.50 = £27.49 * ¥145.99( ポンド 換算レート )で¥4,013 でした。全く高い買い物だとは思っていませんね。
と、いうことでその内容をほんの少しだけご紹介。
いままでほとんどわからなかったことが、ほぼクリアーになったような気がします。
その亜種だけが持つスペシャルな特徴。これがその個体にあれば、ほぼその亜種として考えて良いという特徴をまとめてみました。
上記冊子による各亜種のそれぞれが持つ独特の特徴だけをまとめたもの。
パーセントの値は彼らのサンプル中におけるその亜種においてその特徴を持つ個体の割合。
各亜種の有する特別な特徴
- → は、この特徴が一つでも該当した個体は、ほぼ(100%絶対に、というわけではなく)その亜種として考えて良い特徴。
- → は、その亜種の補助的な特徴。
[ adult ]
brachyrhynchus Short-billed Gull コカモメ
- p9にはっきりした(上方から容易に確認できる)ムーンがある。
- p10のタングが羽の長さの1/2以上。
- p9タングが長くミラーまで切り込む(カナダタイプ)。
- 逆にp9のミラーが全くない。
- 上半身の褐色斑が広範囲に最も多いが、茶色を薄く広範囲に塗ったような傾向であるが(いわゆるカナダの感じかも)、あごと喉はたいていはすっきりとした白である。
- p8にミラーを持つ個体はいない。
heinei Russian Common Gull ロシアカモメ or シベリアカモメ
- p7のムーンが無い(また細い個体でも canus 20%, kamts 5% とkamtschatschensis においてはかなり少数派)。
- p9タングが全く無い。
- p6の外弁の黒い部分(灰タング以外の部分)が羽の長さの2/3よりも長い。(1/2以上でもほぼheinei、canus 1%, kamts 2% とかなりまれ)。
※注:ただ、私の持っている kamtschatschensis の成鳥における初列サンプル画像は30個体程であるが、その内の一つはちょうど2/3程、もう一つは1/2よりも長い個体が存在する。
割合からすると6%強ということになる。
実際のところ、この本の著者たちもこの p6 outer web のタングの短さ(黒部分の長さ)だけでは、heinei と決めることはしていない。
他に、p5 黒バンドの状態やp8 mirror の有無など、複数の条件によるものとなっている。
- 最も上半身の褐色斑が少なく冬場でもかなり白く見える。
- 褐色斑は canus において胸にまで及ぶかもしれないとの記述があるので heinei においては斑は胸まで及ばないものと思われる。
canus Common Gull ニシカモメ
- p5に黒斑が全く無い。
- p8のミラーが両弁に及ぶ。(わずかながらheineiの可能性もあり 1%?)
- 冬場の嘴は鈍く緑がかり、73%に嘴に完全な黒バンド。
- 虹彩はほとんどが暗色、淡色は非常にまれである。
- 上半身の褐色斑 薄 → 濃
- heinei < canus < kamtschatschensis < brachyrhynchus
- 嘴の完全な黒バンド
-
- canus 73%
- heinei 60%
- brachyrhynchus 8%ほど
- kamtschatschensis 10%
- limited p4 black mark
- p4に、両弁に渡り完全なバンド状の黒斑をもつものは canus か brachyrhynchus だけ。
- [ この冊子における鳥の ageing に関して ]
- 鳥の年齢においては、「calendar year」、「first-winter」や「second-winter」などを使用するのが通常です。
- Larus canus に関しては、「COLLINS BIRD GUIDE」を参考にすれば、3 AGES-GROUPS であり、以下のように書いてあります。
- Year 1 : juv 6月~9月、1st-w. 8月~3月、1st-s. 2月~9月
- Year 2 : 2nd-w. 8月~3月、2nd-s. 2月~8月
- Year 3 : ad.w. 8月~3月、ad.s. 2月~8月
- 一方、この冊子の著者たちは、「cycle」という用語を使用していて、これにより、「calendar year」や「first-winter」、「second-winter」などの用語を使用することの問題の多くを回避するのに役立つと記述しています。
- その「cycle」においては、以下のように説明があります。
- A plumage cycle runs from a given plumage or complete moult to the next occurrence of a complete moult.
- 羽毛のサイクルは、与えられた羽毛または完全な換羽から、完全な換羽の次の発生まで続く。
- The first cycle starts with juvenile plumage, the second with the onset of the first complete moult in the bird's second calendar-year, and so on.
- first-cycle は、幼羽で始まり、second-cycle は、鳥の2年目におけるはじめての完全な換羽の始まりからである、など。
- The start of a complete moult is indicated by the replacement of the innermost primary.
- 完全な換羽のはじまりは、最も内側の初列の置換によって示される。
- However, since we mainly describe plumages rather than moult in this paper, and since we focus on the winter period, our use of the term 'cycle' is usually restricted to birds with a full set of primaries, rather than those actively moulting.
- しかしこの論文では、換羽ではなく、むしろ羽毛を主に記述しているので、冬の期間に焦点を当てていて、「サイクル」という用語の使用は、換羽の進行中よりも、むしろ初列の全てのセットを有する鳥達に通常は限定している。
[ third-cycle subadult ]
- third-cycle はほぼ成鳥と同じで、初列に少し黒斑を示す。
- third-cycle は基本的に成鳥と同様の特徴が使用可能。
[ second-cycle ]
brachyrhynchus Short-billed Gull コカモメ
- p9の外弁の基部にはっきりと灰色タングがある。( brachy の 40% )
- p5、p6の両方に対照的で完全なバンド状黒斑を示す。
- p8にすでにムーンがある。(これはしかしただ一羽だけだがkamtsもいたとのことで100%ではない。)
- 内側初列先端のホワイトチップは成鳥同様に、次列並みに太い。
- 次列に斑の残るものはまれ(canus と共通)
heinei Russian Common Gull ロシアカモメ or シベリアカモメ
- 成鳥同様、p7のムーンの有無はキーであるが、全く無いkamts も存在するので絶対的ではない。
- 成鳥同様、もっとも上半身の斑が少なく頭部はやはり白く目立つ。
canus Common Gull ニシカモメ
- p9のミラーが欠けることはほとんどない。
- p4の完全なバンド状黒斑はほとんどなく、黒斑が全く欠けているものも30%以上。p4に黒斑が無いものは他の亜種ではかなり少数派。
- 次列に斑の残るものは非常にまれ。( brachy と共通 )
- 尾羽の黒斑はまれであり、バンド状のものはいない。
- 翼下面の雨覆
- 通常、heinei、canusは淡色で斑は無い
- 反して、kamtschatschensis、brachyrhynchusは、フリンジ模様がほとんどの羽にある。
[ first-cycle ]
brachyrhynchus Short-billed Gull コカモメ
- もっとも広範囲な褐色斑は、薄く伸ばして塗ったようなビロードのようなきめの細かい柔らかな質感で、対象的にkamtschatschensis は、色合いも濃く、シャープではっきりとした質感。典型的な個体は褐色斑の具合でめぼしがつくかもしれない。
- 多くの個体において、他三種とは違い、三列のはっきりと細いフリンジ模様(先端近く、羽縁に沿ってある白斑)は、先端で広がらずむしろ狭くなる。
- 下尾筒においての斑はバンド状であり最も暗色になる傾向が強く、体がかなり暗色であっても下尾筒はさほど暗色にならない傾向のkamtschatschensis との、これも典型的な個体であればめぼしにはなる。
- 最も内側の初列p10が先端の暗色部を除いてほぼ全体が白い個体がそれなりに存在する。他の亜種においては外弁側のほとんどが暗色と全体的に白い個体はほぼ存在しない。
heinei Russian Common Gull ロシアカモメ or シベリアカモメ
- 上半身の褐色斑において、その多くの個体が、首の後部の周りにシャープで細かい縞模様の首巻しか持たず、典型的に最も白くて最もきれいに見える。
- そして多くが、横腹から胸、腹、尻、下尾筒までもほぼ褐色斑を欠いていてきれいな白に近い。この点は、canus だけが近い傾向を示す場合があるだけで、kamtschatschensis、brachyrhymchus においてはほとんどないパターンで区別ができる。
- 翼下面において、下雨覆と脇羽が全く無斑の個体が存在し、体全体の白さと相まって他と区別できる。
- 全く逆に、斑状ではなく、翼下面全体が褐色で体の白さと極端な対比を見せる個体もたまに存在し、それもheinei だけで見られる特徴。
canus Common Gull ニシカモメ
- 通常は、頭にも褐色斑があるので heinei のような襟巻という感じにはならない。
- first-cycle における尾羽のパターンの特徴
- first-cycle において、各亜種で最も特徴的でわかりやすい部分は尾羽のパターンであるということ。
この冊子においては、その尾羽のパターンを「tail type」(4 category)、「feather type」(5 category)、「marking type」(4 category)の三項目に分けて分析してあるが、これらの特徴は相関する傾向があり、三つの独立した特性として扱う事は出来ないとの記述がある。 -
pattern 1
- tail type : テールバンドの様相
- ⇒ category 1:尾羽の黒斑の周辺に全く斑が無く、シンプルな暗色のバンド状
-
canus 80%弱(120個体中) heinei 90%強(117個体中) kamtschatschensis 1~2%(93個体中) brachyrhynchus 0%(72個体中) - marking type of uppertail-coverts : 上尾筒の褐色斑パターン
- ⇒ category 1 : 上尾筒が全くの無斑
-
canus 12%程(104個体中) heinei 62%程(110個体中) kamtschatschensis 0%(97個体中) brachyrhynchus 0%(62個体中) - feather type of outermost tail-feather pattern : 最外尾羽の様相
- ⇒ category 1 : 最も外側の尾羽において、外弁が全体において白いか、または内弁においての黒斑との境目に細かい斑が無くはっきりとしている
-
canus 62%程(106個体中) heinei 93%程(92個体中) kamtschatschensis 2%程(80個体中) brachyrhynchus 0%(61個体中)
< 考察 >
尾羽の黒斑と白斑の境目に、細かい斑が無く境目がはっきりしていて、上尾筒にも全く斑が無い個体の場合、上尾筒に斑が皆無であれば、kamtschatschensis である可能性はほぼ0であり、canus においても1割ほどの個体しかその特徴を有していない事と、日本においてはcanus の存在自体がかなり可能性が低い事を考え合わせると、heinei と考えてほぼ良さそうである。
尚、テールバンドと白い部分との境目には細かい斑などは無いのであるが、テールバンドから尾羽の付け根に向かって羽軸または外縁に沿って伸びる細い黒線のある鳥達は heinei、canus 共に存在し、その黒線の長さには個体差が有って、ほとんど見えないような短いものから、尾羽の長さに相当するほど長いものまで様々であり、そしてその個体差を含め、両者の間に違いは見つけられなかったとのことである。 -
pattern 2
- tail type :
- ⇒ category 1 : 全く斑が無く、シンプルな暗色のバンド状
- pattern 1と同じ
canus 80%弱(120個体中) heinei 90%強(117個体中) kamtschatschensis 1~2%(93個体中) brachyrhynchus 0%(72個体中) - marking type of uppertail-coverts :
- ⇒ category 2 : いくつかの独立した点状斑か三日月状斑
-
canus 70%強(104個体中) heinei 38%程(110個体中) kamtschatschensis 19%(97個体中) brachyrhynchus 0%(62個体中) - feather type of outermost tail-feather pattern :
- ⇒ category 1 : 外弁が全体において白いか、または内弁においての黒斑との境目に細かい斑が無くはっきりとしている
- pattern 1に同じ
canus 62%程(106個体中) heinei 93%程(92個体中) kamtschatschensis 2%程(80個体中) brachyrhynchus 0%(61個体中)
< 考察 >
尾羽の黒バンドはpattern 1と同じで、上尾筒に若干の褐色斑が存在するタイプ。上尾筒に褐色斑がわずかながらでもあると、kamtschatschensis の個体も19%ほど出現してくるが、境目がはっきりした黒バンドタイプを持つ個体はほとんど存在しない(93個体中1個体か)ことは変わらないので、このタイプもほぼ canus か heinei かということになる。
日本においては、canus の可能性はかなり低いと思われるので、heinei の可能性が高いが、体の褐色斑等で念を押すことになる。 -
pattern 3
- tail type :
- ⇒ category 2 : 暗色のバンド状であるが、いくつかのまたはすべての羽においてバンドの境目に点状斑が陰影効果を作っている
-
canus 20%(120個体中) heinei 10%弱(117個体中) kamtschatschensis 60%強(93個体中) brachyrhynchus 6~7%(72個体中) - marking type of uppertail-coverts :
- ⇒ category 3 : 広範囲の三日月状斑または帯状斑があるが、淡色の地色は依然として暗色に勝っている
-
canus 18%程(104個体中) heinei 1~2%程(110個体中) kamtschatschensis 81%程(97個体中) brachyrhynchus 40%程(62個体中) - feather type of outermost tail-feather pattern :
- ⇒ category 2 : pattern 1 のものに近いが、内弁上の黒斑に隣接する少量の点状斑を伴う
-
canus 4%程(106個体中) heinei 2%程(92個体中) kamtschatschensis 5%程(80個体中) brachyrhynchus 0%(61個体中)
< 参考画像:中間形態 kamtschatschensis >
自分が撮りためている中のkamtschatschensis の尾羽。
尾羽の黒バンド寄りの白い部分に、点状斑が黒がにじんだように広がる黒バンド、上尾筒の褐色斑、ともにkamtschatschensis においては最も多いパターンとのこと。
しかしながら、この個体の最外側尾羽のパターンは、内弁の白黒の境目に点状斑が有るような無いようなすっきりしたもので、pattern 1 と同じようにも思えるが、いずれにしても kamtschatschensis ではかなり少数派という事になる。 -
pattern 4
- tail type :
- ⇒ category 2 : 暗色のバンド状であるが、いくつかのまたはすべての羽においてバンドの境目に点状斑が陰影効果を作っている
- pattern 3 と同じ
canus 20%(120個体中) heinei 10%弱(117個体中) kamtschatschensis 60%強(93個体中) brachyrhynchus 6~7%(72個体中) - marking type of uppertail-coverts :
- ⇒ category 3 : 広範囲の三日月状斑または帯状斑があるが、淡色の地色は依然として暗色に勝っている
- pattern 3 と同じ
canus 18%程(104個体中) heinei 1~2%程(110個体中) kamtschatschensis 81%程(97個体中) brachyrhynchus 40%程(62個体中) - feather type of outermost tail-feather pattern :
- ⇒ category 3 : 外弁に沿った点状斑もしくは棒状縞の広がりが、見えている羽の長さの半分まで。
-
canus 30%程(106個体中) heinei 4%程(92個体中) kamtschatschensis 50%弱(80個体中) brachyrhynchus 0%(61個体中)
< 参考画像:中間形態 kamtschatschensis >
これも自分が撮りためている中のkamtschatschensis の尾羽。
尾羽の黒バンド自体がより広く、白黒の境目にある黒くにじんだような点状斑は、尾羽の付け根に向かってより広範囲となる。ただ、大きさの程度だけでパターンのカテゴリーはpattern 3 の物と同類となり、kamtschatschensis では最も個体数の多いパターンとなる。
この個体の上尾筒の褐色斑は、だいぶ大きいように思えるが、地色の白と同等とまではいかないので、やはりこれもpattern 3 と同じく最も多いパターンとなる。最外側尾羽もこのタイプが kamtschatschensis において最も多数派ということである。 -
pattern 5
- tail type :
- ⇒ category 3 : 高密度の点状斑または棒状斑による広範囲の暗色の基底部分からの尾羽
-
canus 2%(120個体中) heinei 1%(117個体中) kamtschatschensis 33%程(93個体中) brachyrhynchus 24%程(72個体中) - marking type of uppertail-coverts :
- ⇒ category 3 : 広範囲の三日月状斑または帯状斑があるが、淡色の地色は依然として暗色に勝っている
- pattern 3 と同じ
canus 18%程(104個体中) heinei 1~2%程(110個体中) kamtschatschensis 81%程(97個体中) brachyrhynchus 40%程(62個体中) - feather type of outermost tail-feather pattern :
- ⇒ category 4 : 上記 pattern 4 タイプと同様であるが、点状斑もしくは棒状縞は見えている羽の長さの半分より広がる。
-
canus 1%(106個体中) heinei 0%(92個体中) kamtschatschensis 40%程(80個体中) brachyrhynchus 38%(61個体中)
< 参考画像:中間形態 kamtschatschensis >
これも自分が撮りためている中のkamtschatschensis の尾羽。
pattern 4 よりも尾羽の黒バンド自体がより一層広くなり、黒くにじんだような点状斑は、白い部分をほとんど覆ってしまうくらいとなる。尾羽の黒い部分がこれぐらい多くなってくると、brachyrhynchus も24%と多くなってくる。
逆に、上尾筒の褐色斑は、pattern 4 よりも間隔が大きく、地色の白がだいぶ勝っているように見える。最外側尾羽は外弁の黒い部分が羽の長さの半分をかなり超えて根本にまで迫る。
尾羽の全体が黒く見えるので、遠目だと brachyrhynchus かと期待させるが、このタイプは kamtschats chensis においても少ないとは言えないという数値である。 -
pattern 6
- tail type :
- ⇒ category 4 : 外側の羽にほんの少しの薄い刻み目のある、多かれ少なかれ全体が暗色の尾
-
canus 1%(120個体中) heinei 0%(117個体中) kamtschatschensis 2~3%(93個体中) brachyrhynchus 60%(72個体中) - marking type of uppertail-coverts :
- ⇒ category 4 : バンド状で、暗色のバンドは間にあるバンド状の淡色と多かれ少なかれ同じかまたはより広い
-
canus 1%(104個体中) heinei 0%程(110個体中) kamtschatschensis 0%(97個体中) brachyrhynchus 60%(62個体中) - feather type of outermost tail-feather pattern :
- ⇒ category 5 : あるかもしれない外弁上のいくつかの薄い刻み目模様を除いて完全に暗色の羽毛
-
canus 0%(106個体中) heinei 0%(92個体中) kamtschatschensis 4%程(80個体中) brachyrhynchus 61%程(61個体中)
< 考察 >
尾羽は全体がほぼ暗色というか黒く、上尾筒の褐色斑はバンド状に並び、褐色部分が地色の白い部分よりも広い面積を占めるということ。
外側の尾羽が基部まで黒いと brachyrhynchus ということの目安にしていたが、kamtschatschensis でもわずかではあるが(93個体中2、3個体か)、存在するということである。
上尾筒の褐色斑が地色の白に勝るということになると、kamtschatschensis は0ということなので、上尾筒の褐色斑が決めてとなるということである。逆に、brachyrhynchus においては、上記 pattern 5 の category 4 の尾羽でも24%(72個体中約17個体)と少なくない数が存在するということなので、その個体の上尾筒が category 4 であれば、それも brachyrhynchus と見なして良さそうである。三列の先端で細くなるフリンジも手助けになる。